(b)蒸気配管内の制限速度は、同径の逆勾配横管と立上り管を比較した
場合、逆勾配横管の方が小さい。
蒸気の速度がある制限を越えると、
凝縮水の流れが阻害されたり、ウォー
ターハンマを起こす。騒音を発生せず
に管内に蒸気を流す場合の蒸気流速
は40~60m/s、最大75m/sとされている。
下表に蒸気輸送の適正流速範囲
の例を示す。
蒸気流速適用範囲例
蒸気の圧力範囲 | 流速(m/s) |
低圧飽和蒸気 0.2~0.5Mpa | 15~20 |
中圧蒸気 0.5~4Mpa | 20~50 |
高圧蒸気 4Mpa以上 | 50~120 |
又、蒸気管内で管壁からの熱損失などによって生ずる凝縮水があるときは、
蒸気と凝縮水の流れが逆方向の場合はスチームハンマによる騒音や振動が
発生したり、上向き給気管では蒸気流によって凝縮水の流下が妨げられ、
時には蒸気の不通を生じたりすることもある。したがって、水平逆勾配管
や立ち上がり管内の蒸気速度はあまり上げることができない。このような
場合に許される蒸気の最大速度を制限速度といい、管径や勾配によって、
実験的に求められた値が示されている。
(e)真空還水方式では、
リフト継手を用いて凝縮水を高所に押し上げるこ
とができる。
真空還水方式において、還水管を立ち上げる場合は、リフト継手を使用す
る。リフト継手の高さは、1段使用の場合は1.5m以内とし、2段使用の場
合は1.2m以内とする。